スカウト代行会社の選び方のポイントとは?採用のプロが解説!
企業が直接欲しい人材に対して直接アプローチすることができるダイレクトリクルーティングは、採用が難化している状況の中で非常に魅力的な採用手法となっています。
ダイレクトリクルーティングの運用に関して、問題となってくるのは対応できるだけのマンパワーが必要となってくる上に運用ノウハウが自社にないということが挙げられます。
そのため、ダイレクトリクルーティングの導入に関して、上記の問題を解消するためにスカウト代行サービスの利用を検討している企業も多いのではないでしょうか。
とはいえ、どのようなスカウト代行を選ぶべきかについてわからない、いざ利用してみたが失敗したなんてことは避けたいといったように、利用を決めた後もスカウト代行の選び方について悩むことになります。
今回は、スカウト代行会社の選び方について徹底解説してまいります。
1:スカウト代行サービスの必要性
スカウト代行会社を選ぶポイントについて解説をする前に、まずスカウト代行サービスを利用する必要性についておさえていきましょう。
スカウト代行サービスの必要性については、ダイレクトリクルーティングが抱える運用面のデメリットが関係してきます。
1-1:ダイレクトリクルーティングについて
ダイレクトリクルーティングとは、企業が欲しい人材に対して直接アプローチすることができる採用手法となっています。
従来の採用手法が応募が来るのを企業が”待つ”という姿勢であるのに対して、ダイレクトリクルーティングは企業が能動的かつ主体的に進める”攻め”の姿勢を取ることになります。
欲しい人材に対して直接アプローチすることができる点がダイレクトリクルーティングの最大の特徴でありメリットとなります。
採用が難化している中で、待っているだけでは採用が難しい人材に対してアプローチできるという点が注目を集める要因となっています。
しかし、ダイレクトリクルーティングは企業が積極的に動く分、従来の採用手法以上に時間や工数がかかることになります。
たとえば、ダイレクトリクルーティングの目玉とも言えるスカウトメールには、候補者個々人に宛てて作成・送信をしていきます。ですので、メルマガのように、メーリングリストを使うという手段ではないため、作成にかなりの負担がかかることになります。大体、1人を採用するのに、300通作成するというのが目安となりますので、単純に1通作成するのに10分かかるとすると、合計で50時間(3000分)かかることになります。ですので、スカウトメールの作成だけでもかなりの負担がかかることになります。ここに、ターゲットの選定や日程調整が加わってくると、相当な時間や労力がかかることがわかります。
他部署と比較して人事部の人員は少なく、他部署と兼務しているというところもあり、ダイレクトリクルーティングを運用するだけのマンパワーがない企業がが多く、導入を諦めるところや、無理に導入をしてしまい満足に運用することができず、思っていたような成果を上げることができなかったというところもあります。
また、ダイレクトリクルーティング自体が新しい採用手法であり、従来の採用手法と対極的な性質を有することもあって、これまでのノウハウが流用しにくく、ノウハウがほとんどゼロの状態から運用をしなければなりません。
ダイレクトリクルーティングは、待つだけでは採用がしにくい人材を採用するチャンスがある手法であり、特に、規模が小さく知名度の低い中小企業やスタートアップベンチャー企業にとっては非常に魅力的な手法です。しかし、導入をするだけでうまくいくというものではなく、スカウトメールの作成等の運用に関するノウハウを要することになります。
近年では、ダイレクトリクルーティングを導入する企業も増加しており、大企業等の知名度の高い企業も導入をしていることから、アプローチに対するノウハウの要求が高くなっています。
もちろんトライアンドエラーをくり返すことで、徐々に構築されていくことになりますが、時間がかかる上に、適切なPDCAでまわすことができなければなりません。時間がかかればかかるほど、その間に欲しい人材が他の企業に取られてしまう上に、それまでに失敗した分の損害もかかることになります。
このように、ダイレクトリクルーティングは欲しい人材に対してアプローチすることができるというメリットを有している一方で、マンパワーやノウハウが必要となってくるというデメリットもあります。
そして、このデメリットの解消として、注目を集めているのが【スカウト代行サービス】となってきます。
1-2:デメリットを解消することができるスカウト代行サービス
上述したように、ダイレクトリクルーティングのデメリットとなるのが、マンパワーやノウハウが必要となってくるという点にあり、これを解消することができるのがスカウト代行サービスとなります。
スカウト代行サービスとは、ダイレクトリクルーティングの運用を代行するサービスとなっており、スカウト代行会社毎にサービスの内容が異なってきますが、基本的に、以下のような業務の代行がサービス内容となっています。
- ①基本戦略の策定
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ダイレクトリクルーティングの運用に関する基本的な戦略(ダイレクトリクルーティング媒体の選定、ダイレクトリクルーティングの運用方針、ターゲットの条件…etc)を行う。
媒体の選定に関して、中にはダイレクトリクルーティングサービス媒体と提携している会社もあるため、通常よりも割安で利用できるということもあります。
- ②ターゲットの選定
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スカウトメールを送る候補者の選定を行っていきます。自社が採用したい人物像と合致するものかどうかについてプロフィールやアピール欄の情報から判断していくことになるので、経験やノウハウの有無が要求される業務であります。
- ③スカウトメールの作成・送信
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スカウトメールの作成に関して、メールの文面を完全にスカウト代行会社におまかせすることができる場合やある程度のテンプレの作成をお願いされる場合もあります。前者の場合に別途料金が発生するということもありますので、この点については注意が必要となってきます。
- ④日程調整
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スカウトメールに返信があった場合に、カジュアル面談や面接等の日程調整や設定を行っていきます。カジュアル面談だけか、それとも最終面接までの日時設定まで対応をするかは、各会社によって異なるので、この点についても確認をする必要があります。
上記で挙げたものは、あくまで一例となっていますので、実際にどのような業務について対応をしているのかは、各スカウト代行会社への確認を必ず行ってください。
このように、ダイレクトリクルーティングの運用を外部に委託することで、単純に人事にかかる負担を負わなくて済むうえに、人事は、自身の業務に集中することができるため効率的に進めることができます。
また、スカウト代行会社では、他の企業のダイレクトリクルーティングの運用等の経験やノウハウを有しているため、自社でのノウハウの構築やダイレクトリクルーティングの運用経験のある者を採用する難易度に比べて、時間や手間もかかりません。
このように、ダイレクトリクルーティングを利用するデメリットを解消することができるのが、スカウト代行を利用するメリットと言えます。
では、スカウト代行サービスを利用するにあたって、どのような会社を選ぶべきかについて見ていくことにしましょう。
2:スカウト代行会社の選び方
ダイレクトリクルーティングを導入する企業が増加したことで、様々な会社でスカウト代行サービスが実施されています。
だからこそ、スカウト代行サービスを利用するにあたってどのような会社を選ぶべきかについて悩むことになります。
ここでは、スカウト代行会社に求める利用企業側のニーズを元にスカウト代行会社の選び方について解説いたします。
2-1:スカウト代行会社を利用する上で必要とする条件
上述したようにスカウト代行会社はマンパワーやノウハウ不足を解消するために利用することになります。
ですので、【できる限りダイレクトリクルーティングの運用業務に広く対応でき、かつ運用ノウハウが豊富である】ということが選定の条件として外すということはできません。
また、スカウト代行会社を利用してでもダイレクトリクルーティングの運用をするのですから、【自社の採用目標を達成するということにどれだけ誠実に向き合ってもらえるのか】という点も重要なものになってきます。
さらにスカウト代行会社を利用する上で、気になるのが費用がどのくらいかかってくるのかという点になってきます。
料金体系については、スカウトメールの送信数毎に料金体系を定めていたり、月の稼働時間で料金を定めていたりと各スカウト代行会社で料金体系は異なってきます。特に費用に関してはできるだけ安く抑えたいという心理が働きがちですが、安い分対応できる業務の幅が狭いということもありますので、注意が必要となってきます。
2-2:選び方
スカウト代行会社に求める条件を元に、スカウト代行会社の選び方を考えると以下のポイントが挙げられます。
- ①対応できる業務の幅広さ
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マンパワー不足を解決する上で、スカウト代行会社がどこまで運用業務に対応しているのかは重要なポイントとなってきます。
この点は、自社がダイレクトリクルーティング運用に回せるリソースを持っているのか、ノウハウを活用することができる業務があるか等をもとに、委託したい業務を割り出しておくと良いでしょう。
業務に対応できる幅と費用が絡んでくることになりますので、できるだけ費用を抑えたい場合は、委託する必要があるものか否かを考えて、必要な分だけ利用するのも手となります。
明らかにマンパワーが不足しているという場合は、ダイレクトリクルーティングの工程にフル対応しているサービスをオススメしております。
- ②ノウハウ
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ノウハウを持っているかどうかは、スカウト代行会社もノウハウを売りにしているからこそ公開している企業がほとんどないため、利用を開始するまでわかりません。
そこで、スカウト代行会社が公開している情報から汲み取るしかないのですが、まず一つの指標となるのが、導入実績数となってきます。導入企業が多い分、そのスカウト代行会社の経験値がある可能性が高くなってきます。
また、導入した企業の業種が、自社が採用したい人材の業種と被っているのかについても確認をしておくようにしましょう。導入実績についてHPに公開されていない場合は、問い合わせをしてみると良いでしょう。
また、スカウト代行サービスは派遣会社が実施している場合とコンサルティング会社が実施している場合がありますが、ノウハウという観点では、コンサルティング会社が行うスカウト代行サービスの利用をオススメしております。
というのも、派遣会社の場合はノウハウが属人的なものであり個々で差が出てくる場合があります。これに対して、コンサルティング会社の場合は、ノウハウが会社に帰属していることが多いため、担当者の当たり外れがあまり出てきません。ただし、コンサルティング会社の方が費用は高くなる傾向にありますので、その点は注意をしておく必要はあります。
ノウハウの有無について注意が必要となってくるのが【返信率】となります。スカウトメールの返信率についてはどうしても目が行きがちですが、返信率が高いからといって欲しい人材からの返信が高いとは言えません。
基本的に反応が良い候補者は、早く転職をしたいため企業もより好みもしないような者であり、就職氷河期時代の比較的年齢の高い層が多くなってきます。これに対して、若く、優秀な人材や人気業種の人材は、今の会社にある程度の満足をしているため転職先の判断も慎重になっている上に、他の企業からもスカウトメールが送られている可能性が高く、基本的に返信率自体が低くなってきます。
ですので、返信率の高さ=自社が欲しい人材を採用できる可能性が高くなるとは言い切れませんので、注意が必要となってくるのです。
- ③担当者との連絡のとりやすさ
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外部に委託するからこそ、運用に関する連絡を密に取れるかどうかは重要なポイントとなってきます。ダイレクトリクルーティングはスピーディーな対応が必要となってきますので、できるかぎり、スカウト代行の担当との間で、連絡がスムーズに行なわれる必要があります。
たとえば、返信があった場合の面談・面接に関して、日時の設定のためには、面談・面接の担当者とのスケジュール調整が必要となってきます。スケジュールの調整に手間取ってしまい、候補者との面談・面接の実施までに期間が空いてしまうと、その間に欲しい人材が他の企業に取られてしまうという可能性が高くなってきます。
このようにダイレクトリクルーティングはスピーディーに対応をすることが必要となってきますので、スカウト代行の担当者との間での連絡のとりやすさは、見落としがちではありますが、重要なポイントとなってきます。
3:まとめ
今回は、スカウト代行会社の選び方について解説をしてまいりました。
ダイレクトリクルーティングは攻めの姿勢を取ることができる点が特徴なのですが、その分運用に関する工数・時間がかかることになるため、その分人事にかかる負担が大きくなってきます。
そのため、外部に委託することができるスカウト代行サービスはダイレクトリクルーティングのデメリットを解消することができる点は有効であり、活用すべきサービスと言えます。
プロ人事でもスカウト代行サービスを実施しておりますが、当社のサービスについて気になる方や興味のある方は気軽のお問い合わせください。
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