【ダイレクトリクルーティング運用】スカウト代行サービスは利用すべきか？

2023年1月5日

ダイレクトリクルーティングは自社で運用を完結？それともスカウト代行サービスを利用？？

新しい採用手法として、昨今注目を集めているダイレクトリクルーティングですが、よく問題に上がってくるのが、運用負担が非常に大きいという点にあります。

このダイレクトリクルーティングの問題解消としてよくオススメされているのが【スカウト代行サービス】となります。

そのためダイレクトリクルーティングの導入に関連して【スカウト代行サービス】を利用すべきか否かについて悩まれる企業も少なくありません。

そこで今回は、【スカウト代行サービス】の利用をすべきか否かについて徹底解説。

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1:スカウト代行サービスとは

スカウト代行サービスとはダイレクトリクルーティングの運用を代行するサービスとなります。

ここでは、スカウト代行サービスについて、簡単にご紹介したいと思います。

1－1:ダイレクトリクルーティングについて

ダイレクトリクルーティングとは、企業が欲しい人材に対して直接アプローチすることができる新しい採用手法となります。

従来の採用手法は、求人広告を掲載して応募が来るの”待つ”という姿勢であったのに対して、ダイレクトリクルーティングは企業から主体的・能動的に動くことになるため”攻め”の姿勢を取ることができるというのが強みとなります。

アプローチの手段として、利用する媒体毎に名称が変わってきますがいわゆる【スカウトメール】と呼ばれるものを”個々”の候補者に対して送っていくことになります。

ダイレクトリクルーティングとよく混同されるサービスとして、大手のナビサイトが実施している【スカウトサービス】と呼ばれるものがあります。こちらのサービスも【スカウトメール】と呼ばれる機能を有していますが、こちらはナビサイトの登録者の中から年齢・性別・地域等の設定した条件に該当するもの”すべて”に対してスカウトメールを送ることになり、登録者自身の希望や経験を考慮しません。ですので、どちらかというと求人公告を条件に合致する人に対して送ることになります。

これに対してダイレクトリクルーティングの【スカウトメール】は、候補者一人ひとりに宛てて作成することになるので、同じ名称の機能を持っていますが、実質的な部分は異なります。

スカウトメールの作成からもわかるように、ダイレクトリクルーティングは従来の採用手法と異なり、主体的・能動的に動くことになる分、労力・時間がかかり人事部の負担が増すことになります。

この人事部の負担を解消に一役を買うことになるのが、スカウト代行サービス（ダイレクトリクルーティングの運用代行）となってきます。

1－2:代行業務内容

スカウト代行サービスについて、どこまで代行業務として対応をしてもらえるのかについて、各サービス会社によって詳細は異なってくることになるのですが、ここでは、一般的なものについて参考例としてご紹介いたします。

基本戦略の策定: ダイレクトリクルーティングの運用に関する基本的な戦略に策定。利用するダイレクトリクルーティングの媒体の選定や、ダイレクトリクルーティングにおける選考フローについて専用のものを新たに作成するか既存のものをそのまま利用するか、各フローにおけるKPIの設定等について決めていきます。
ターゲットの選定: スカウトメールを送る候補者の選定を行う。ターゲットの選定に関して、候補者が作成したプロフィールやアピール欄を元に選定をしていくことになるが、作成されたプロフィールに記載された情報の正確性や情報量が不足しているということがあるため、どこまでを対象とするかについて細かく打ち合わせをしてもらえる会社かといったことも選定のポイントとなってきます。
スカウトメールの作成・送信: ダイレクトリクルーティングの目玉とも言えるスカウトメールであり、利用するか否かについて関心を集める業務となってきます。プロフィール等の候補者の情報を元に作成するのはもちろんのこと、どれくらいの文量が適しているのか、欲しい人材層が求める条件や希望等のノウハウが試される業務となってきます。
日程調整: スカウトメールに返信があった後に、カジュアル面談や面接の日程を候補者と調整していきます。この業務について、自社でも対応できると思われるかもしれませんが、日程調整の連絡についてはスピードが求められる業務となっているため、ダイレクトリクルーティング運用業務以外の業務を行わければならない人事部にとっては、返信があったかを逐一チェックするというのがそもそも難しいため、意外と大変な業務となっています。日程調整に関して、カジュアル面談まで対応するのか最終面接までも対応するのかについてサービス会社毎に異なってきますので、この点は確認が必要になってきます。
運用に関する振り返り: ダイレクトリクルーティングを適切にPDCAを回すうえで、スカウトメールの開封率・返信率や採用率等のデータをもとに振り返り・効果測定を定期的に行う必要があります。とはいえ、こちらの業務もデータを集計し分析、レポートとしてまとめる作業となると、手間のかかる作業となってきます。また、データの集計や分析についてもノウハウが必要となってくるため、代行にまかせることでよりクオリティの高いものになってきます。

このようにスカウト代行では、ダイレクトリクルーティングの手間のかかる業務を外部に委託することで人事部はコアな業務に集中することを可能とするサービスとなっております。

2:スカウト代行サービスのメリット・デメリット

ダイレクトリクルーティングの運用を外部に委託することのメリット・デメリットとは何か。スカウト代行の利用を検討する上で、重要な要素となってきます。

ここでは、スカウト代行サービスを利用するメリット・デメリットについて解説いたします。

2－1:メリット

①忙しい人事部の負担を軽減

ダイレクトリクルーティングの運用に関する一番のデメリットとなってくるのが、運用の工数・労力がかかるという点にあります。

例えば、スカウトメールは前述したように個々の候補者に宛てて作成することが基本となってきます。そのためには、候補者のプロフィールやアピール欄の情報からカスタマイズした文面の作成をしなければなりませんが、1通作成するだけでもそれなりの労力・時間がかかってきます。

しかし、作成したスカウトメールに対して必ず候補者が返信してくれるということはありませんので、複数人に対して送っていく必要があります。大体、ダイレクトリクルーティングで１人採用するのにおよそ300通ほど作成することになるので、1通作成するのに10分かかるとすると、合計で50時間かかってくることになります。

このように、スカウトメール一つでもかなり時間がかかるのに、ターゲットの選定や日程調整、面談等といったダイレクトリクルーティングに関する業務やダイレクトリクルーティング以外の業務をしなければならないとなると、かなりの負担が人事部にかかることになります。

業務を分担できるほどの人員が備わっているならまだしも、多くの人事部は他部署とくらべても少ない上に、他の部署と兼務しているという場合もあり、対応できるだけのマンパワーを持っているというところはほとんどありません。

そこで、ダイレクトリクルーティングの運用を外部に委託することで、運用負担を回避し人事部はコア業務に集中することが可能となります。

②ノウハウ不足を補うことができる

ダイレクトリクルーティングは比較的新しい上に、従来の採用手法とは対極的な性質を有するということもあって、既存のノウハウが流用しにくい手法となっています。そのため、ダイレクトリクルーティングを新しく導入したはいいが、なかなか成果が出ないということも往々にしてあります。

もちろん運用をくり返すことで、ノウハウは構築されていきますが、それまでに時間がかかる上に、工数・時間がかかる手法ですのでダイレクトリクルーティングの運用に失敗すると、人件費の観点から損害が大きいものになってきます。

採用コストを削減できる採用手法として挙げられることもありますが、失敗した場合の人件費部分の損害を考慮するとダイレクトリクルーティングはリスクのあるものとなってきます。

このようなリスクを軽減するという意味でも、ダイレクトリクルーティングのノウハウを利用することができる点はメリットといえます。

③間接費用の削減

ダイレクトリクルーティングに負担を解決するという意味ではスカウト代行サービスの利用以外にも、新たに人事部員を正社員や派遣社員を採用するといった手段が考えられます。

単にマンパワーを増やすことができるため一応の解決をすることができますが、この場合、増やしたメンバーに対する社会保険等のコストを会社側が負担することになります。

また、オフィス関連のコストや新しくPC等の機器等の備品等のコストなど目に見えないコストが間接的に加わることになります。

これに対して、スカウト代行サービスでは、当然社会保険等のコスト負担もありませんし、業務遂行に必要となる機材等のコストもサービス会社側で用意しているのですから、上述したような見えないコストがかかることはありません。

また、新たに人員を増やす場合には、育成が必要となってくるとなると、結局ダイレクトリクルーティングにかかわる人事の負担を完全になくすということはできません。これに対してスカウト代行サービスは、育成時間を要しません。

このように、スカウト代行サービスを利用すること自体に費用はかかってきますが、見えないコスト部分を含めると、コスパ面でも充分に高いサービスであると言えます。

2－2:デメリット

①自社にノウハウが残りにくい

メリット部分で、自社でのノウハウ構築までに伴う時間や手間や失敗した場合のリスク軽減について挙げていますが、その裏返しとして自社にノウハウが残りにくいという点がデメリットとして挙げられます。

このデメリットがあるからこそ、自社で運用した方が良いのではないかと考えられるかもしれません。

しかし、自社で運用する場合については、上述したようにトライアンドエラーをくり返すことで、ノウハウが構築されるのですが、実際のところ構築されたノウハウは運用を担当した者だけにとどまってしまうため属人的なものになりがちで、担当者からうまく引き継ぎが行われなければ、会社にノウハウが残らないということもあります。

そういった意味では、スカウト代行サービスを利用する場合のデメリットと変わらない状況にあると言えます。

とはいえ、スカウト代行サービスを利用する場合のデメリットを無視することができるというわけではありませんが、このデメリットについては対策のしようがないというわけではありません。

例えば、完全に丸投げするのではなく、サービス会社との間で運用に関する情報について伝達と共有を積極的に行うことで、何も残らないという事態を防止することが可能となってきます。

このように全く手間をかけずにノウハウを取得したいという希望を叶えるのは難しいですが、デメリットの解消としてある程度の対策を講じることで軽減をすることは可能となってきます。

②費用がかかる

スカウト代行サービスを利用する上で一番気になるのが、さらに費用がかかるという点になります。

たしかに、ダイレクトリクルーティングの利用料に加えて、スカウト代行サービスの費用がかかるとなると、自社で運用を完結した方がコストが抑えられると考えるのは当然の帰結であると言えます。

しかし、スカウト代行サービスにかかる費用は、考え方によっては必要なコストともいえます。特に、ダイレクトリクルーティングの運用に対応できるだけのマンパワーがない企業にとっては、重要な考慮要素となってきます。

ダイレクトリクルーティングのメリットとして、努力次第で効果を上げることができるという点が挙げられますが、逆に言えば努力しなければ効果を得られないと考えることができます。そのため運用のためにある程度労力・時間をかけられるだけの余裕が必要となってきます。

しかし、前述したように、人事部のマンパワーが充分にないということが多く、なんとか導入をしたもののキャパオーバーしてしまい結果として中途半端な運用となってしまってしまうということも往々にしてあります。中途半端な運用で、成果が得られないのであればそもそも導入をする必要がなかったとも言えなくもありません。

このように、マンパワーに自信がない企業にとって、ダイレクトリクルーティングで採用を成功させたいのであれば、スカウト代行を利用することが必須といって過言ではありません。

そのため、費用がかかるというデメリットについては、ダイレクトリクルーティングでの採用が失敗に終わる可能性から必要な費用かどうかを考えて、のむべきデメリットか否かを検討する必要があります。

このように、スカウト代行サービスについても利用する上でのメリット・デメリットがあるのですが、結局のところ、スカウト代行サービスを利用することで解決する問題とそのために受け入れる問題とどちらを取るのかといった比較衡量をしていった上で、どちらをとるのかと点に尽きます。

これを踏まえた上で、スカウト代行サービスを利用すべき企業について次の章でご紹介いたします。