ペルソナ設計を活用していますか?スカウト代行会社が設計のコツを解説!
採用戦略を立てる中で、ペルソナ設計を取り入れる企業が増えてきました。
しかし、ペルソナを採用にうまく活用できていない企業がまだまだ多いです。
そこで、今回は改めてペルソナを設計するメリットや注意点を解説した上で、活用方法をご紹介していきたいと思います。
1.ペルソナとターゲットの違い
ターゲットはいくつかの条件を持ったグループで、ペルソナは架空の1人を設定します。
ペルソナはターゲットとは違い、パーソナリティを持っているとも表現されます。
以下に例を記載します。
<ターゲット>
- 20代男性
- 営業経験者
- 体育会系
<ペルソナ>
- 26才男性
- 少年野球から野球を始め、大学でも野球部に入っていた
- 新卒で大手製薬会社の営業部に配属
- 持ち前の気持ちの良い接客で契約数は同期で一番なのに、インセンティブが少ないことが不満
ターゲットよりもより具体的に1人の人物が想像できたと思います。
2.ペルソナが重要視され始めた背景
ペルソナとは元々マーケティング分野のもので、ターゲットを明確にすることでより効果的な戦略を立てるのに使われていました。
少子化による労働人口の減少に伴い、優秀人材の獲得が従来よりも難しくなっています。企業の立場も選ぶ立場から選ばれる立場に変化しており適応していく必要があります。
そういった意味では広く一般に向けたメッセージでは応募者の目にとまることは難しくなっているのです。
また、求職者も企業に求めるもの、入社をする上で重視していることも時代と共に変わっているため、採用したい人材に響くメッセージとはなにかを改めて考え直す必要があります、。
候補者に的確なメッセージを送る重要性が注目され始め、採用業界でもペルソナの考え方が浸透してきました。
3.ペルソナ設計のメリット
ターゲットを明確にするためにペルソナを設計する必要があるとお話しましたが、ターゲットを明確にすることで具体的にどんなメリットがあるのでしょうか。
3-1.採用メッセージが具体的になり採用したい人材に響きやすくなる
より多くの人に応募してほしいと思って「アットホームな雰囲気」、「福利厚生が充実」、「残業が少ない」など誰もが求めるものを並べても魅力的な採用メッセージにはなりません。
求職者は”自分のための求人”を求めています。
全ての求職者によく思われなくてもいいので、自社が採用したい人たちの目に留まることを重視しましょう。
実力主義の会社に興味がある人に「安心のサポート制度でゆっくり成長できる」ことは魅力ではないでしょうし、安定志向が強い人にとって「若手がバリバリ活躍できる」ところは避けたいかもしれません。
応募してほしい人を明確にすることで、その人たちに響く採用メッセージが作成できるのです。
3-2.求める人材像を社内で共有しやすい
ターゲットの例として前述した「20代男性」、「営業経験者」、「体育会系」で思い浮かべる人物像は人によって幅があります。
特に性格や人柄の部分は人による違いが大きいです。
このズレを大きいままにしておくと、経営陣、人事部、現場サイドでの採用の話がうまく嚙み合わなくなってきます。
面接の合否判定にも影響してくるでしょう。
ペルソナを設計しておけばこのズレは少なくて済み、効率的な採用活動ができます。
4.ペルソナを設計する要素
ペルソナを設計するときに考えるべき要素には以下のようなものがあります。
この通りにしなければいけないわけではないので、企業によって必要なものを取捨選択したり、追加したりしてください。
<共通>
- 年齢
- 性別
- 居住地
- 家族構成
- 学歴
- 趣味
- 性格
- 資格
<新卒採用>
- 部活
- サークル活動
- 長所
- 短所
- 企業に求めるもの
<中途採用>
- 年収
- 職務経歴
- 仕事のやりがい
- 今の会社の不満
- 転職意欲
5.ペルソナ設計のやり方
では、ペルソナ設計の具体的な手順をみていきましょう。
まずは採用する目的を確認します。
会社で何をしてもらうために採用するのかによってペルソナは変わってくるからです。
新卒採用と中途採用、辞めてしまった社員の代わりと新規プロジェクトのリーダーとではペルソナは違います。
目的別にペルソナを設計する必要があるので、どのポジションでどれぐらい採用するのかを確認しましょう。
次に経営陣、現場を含めた社内の人間に求める人材像の条件を優先度を含めてヒアリングしていきます。
最初に優先度を聞いておかないと後で条件のすり合わせをするときに大変なので忘れないように気を付けましょう。
この段階ではとにかく数を出していくのが大事なので、可能であれば広範囲の人に聞いてください。
「どんな人がこのポジションに向いていると思いますか?」ではなかなか意見が出ないと思うので、インタビューする側が優秀な社員の特徴を例として挙げてみたりなどしてうまく誘導するよう心がけましょう。
集まった条件から1人の人物像を作成していきます。
例えば、「効率的に仕事をこなす」、「人見知りしない」、「資格取得のために勉強するのが好き」などの条件だったら、「学生時代によく一人旅行をしていて、どこに行ってもすぐに友達ができた。好奇心旺盛で様々な資格を持っている。現在2児の母であり残業はあまりできないので効率的に仕事をこなすことを重要視している」というようなストーリーができます。
出てきた条件を全て入れ込む必要はありません。
条件同士がバッティングする場合は優先度を加味して整理していきましょう。
出来上がったペルソナは必ず経営陣および現場に確認してもらい、問題があれば修正していきましょう。
人事部だけでなく、採用に関わる全ての人が納得したペルソナを共有していないとうまく機能しないからです。
6.注意点
ペルソナは具体的な人物を作り出すことが、従来のようなターゲットとの違いになってくるのですが、初めてやるとなると見落としてしまうこともあります。
ここでは、ペルソナを設計する上で注意すべきポイントについて解説いたします。
6-1.現実的な人物像になるようにする
あの条件もこの条件も欲しいと欲張りすぎると、現実には存在しないペルソナが出来上がってしまいます。
条件に合った人が求人媒体にどれぐらいいるのかを意識しながら要件を決めていきましょう。
新卒の場合は採用したい人数の最低でも100倍、中途採用の場合は採用したい人数の最低でも30倍のボリューム感が目安です。
つまり、新卒を10人採用したいとして、条件A、条件B、条件C、条件D、条件Eに合致した学生が求人媒体に1000人いなければその条件は非現実的だということです。
条件をいくつか外すか、内容の見直しを行ってください。
6-2.定期的にブラッシュアップする
ペルソナは一度設計して終わりではありません。
会社の事業転換や採用人数の増減などの内部要因、景気悪化や少子化などの外部要因などに応じて定期的にブラッシュアップする必要があります。
社内外の情勢とズレてしまったペルソナを使い続けると、採用後のミスマッチが増え、採用に要した時間も費用も無駄になってしまいますので気を付けましょう。
6-3.公正に意見が出せる環境作りを心がける
条件を洗い出す作業のときは経営側の意見も現場側の意見も平等に通るような環境づくりを心がけてください。
現場が大事だと思っている条件を経営側が一蹴してしまっては正確なペルソナができません。
経営側を説得できない場合は、採用コンサルタントなどの第三者にペルソナ設計を手伝ってもらうのもおすすめです。
6-4.ペルソナ設計が目的にならない
ペルソナ設計は採用フローの1つであって、それ自体が目的ではありません。
あくまで自社の求める人材を採用することが目的であることを忘れないようにしましょう。
綿密なペルソナを設計するよりは、ペルソナをどうやって活用していくのかの方がずっと大事です。
7.ペルソナ活用事例
ペルソナを活用した事例として、弊社のお客様である社員数50名の会社が優秀な新入社員を採用できたケースをご紹介します。
この会社はハイクラスのエンジニアを採用したかったのですが、どうしても大手企業と比較すると知名度が劣り、なかなか採用がうまくいっていませんでした。
そこで、大手企業でみんな一斉に研修を受けて歯車の1つとして働くよりも裁量の大きい仕事をやりたい人、実力主義で若くても結果に見合った報酬を求める人などの条件をペルソナに盛り込み採用戦略を立てていきました。
このペルソナが求める求人はどういったものかを考え抜いた結果、新卒でも500万円を保証するという求人票を作成し、見事優秀人材を採用することができました。
8.全ての採用過程でペルソナを意識する
ペルソナは求人票や採用メッセージの作成だけに使えるものではありません。
採用過程のはじめから終わりまで一貫してペルソナに合った戦略をとることで効果を発揮します。
例えば、ライフステージが変わっても働き続けたいと思う女性を採用したい場合。
面接官に育休取得経験者を含めることで候補者と有意義な情報交換ができ、候補者も先駆者がいることで安心できます。
ペルソナを設計して終わり、求人票を作成したら終わりではなく、全ての採用過程がペルソナを意識したものになっているか今一度見直しましょう。
9.【上級編】採用すべきでないペルソナを設計する
ペルソナ設計の上級編として、採用すべきでない人のペルソナ設計をご紹介します。
内定辞退者、早期退職者などから自社とは合わない人物像を明確化していきます。
採用すべきでないペルソナを設計するメリットは、合否判定で悩んだときの判断材料になることです。
例えば、やる気がある、勉強熱心であることを重要視してきたが、学歴があまり高くない学生の早期退職が目立つようになってきたとします。
こういった場合は、採用すべきでないペルソナの条件に一定の学歴以下を含めるのが効果的です。
ただし、学歴が高くない人が全員会社で活躍できないかというとそうでもないので、あくまで社員共通の目安として活用してください。
また、採用すべきでない人の条件は属人的になりやすいので注意しましょう。
10.自社でうまくできときはスカウト代行にご相談を
ペルソナを設計するときは各所から意見をヒアリングしなければなりません。
人事部が各所から平等に意見を集めるのは時間もかかりますし、いろいろと気を遣うこともあるでしょう。
そんなときはぜひスカウト代行を検討してみてください。
スカウト代行と聞くと、スカウトメールを送信するだけのイメージがあるかもしれませんが、プロ人事のスカウト代行ではペルソナからお客様と一緒に作り上げていきます。
社員へのヒアリングもプロ人事が行いますのでご安心ください。
第三者の方がしがらみがないので、公正な意見集めがスムーズにできます。
採用がうまくいかない原因がペルソナ設計に起因しているケースは少なくありません。
ぜひ、プロ人事にご相談ください!
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